これから農業関係の仕事を目指したり、あるいは農業を学ぶ必要があるなど、様々な事情から農機具について知りたい方もいるはずです。しかし一口に農機具といっても、その定義は難しく種類も膨大。

全てを直ぐに理解することは、実際には不可能でしょう。そこで農業現場で最もメジャーな作業機械を中心に、作物の成長ごとに合わせながら、それぞれのシーンで活躍する農業機械や作業機をここでは紹介しましょう。

農機具の定義と分類は難しい!

農機具とは農具から農業機械まで、農業に関する道具や機械全般を総称する言葉です。

ただし一口に農機具といっても、人や家畜によって使われる道具から、燃料や電力を利用した機械まで、その種類は幅広く多種多様です。

したがってその定義や分類については、実際にはなかなか難しいものがあります。ちなみに農業機械化促進法では、「耕うん整地、は種、肥培管理、有害動植物の防除、家畜又は家きんの飼養管理、収穫、調製加工その他農作業を効率的に行うために必要な機械器具」として、農機具を定義しています。

ただしこの場合でも、農具と農業機械との境界線については明確ではありません。例えば足踏み式の脱穀機や、水力や風力といった自然エネルギーを活用する精米機など、電気や燃料などを用いない農機具の場合には、それが農具なのか農業機械なのかといった判断はケースバイケースです。

とは言え、農業分野での機械化が進んだ現代では、「農機具」といえば電力や内燃機関を使用した農業機械をイメージするのが一般的でしょう。トラクターやコンバインなどは、農業に詳しくない人でも農機具として直ぐにイメージできるはずです。

したがって、ここからは電力や内燃機関による農業機械に特化して、様々な作業機械を見ていくことにしましょう。

農地のあらゆるシーンで見かける有名な農業機械といえはコレ!

稲作をするにしても野菜を栽培するにしても、まずは農地を耕す必要があります。そこで大活躍するのがトラクターです。特に人力では負担が大きくなる広大な農地においては、無くてはならない農業機械の1つです。トラクターの基本的な構造としては、馬力を出すために太いトルクのディーゼルエンジンを搭載し、車体前面には機械全体のバランスを取るためのフロントウェイトが付属しています。

駆動形式としては二輪の他に、四輪や履帯式などのタイプがあり、農地の規模や状態によって各タイプが選択されます。例えば、土が硬質の農地では二輪や四輪タイプのトラクターを使用し、ブロックパターンが大きく、土に食い込みやすいタイヤを装着して作業を行います。

逆に軟質の農地では車体が沈み込まないように、キャタピラーで駆動する履帯式タイプを使用します。トラクターの車体後方には、3点ヒッチと呼ばれる3本のアームが突出しており、ここに専用作業機を取り付けます。また同じく後方には、トラクターのエンジンから回転力を伝達するために、PTO(Power Take Off)と呼ばれる回転連結部が露出しています。

これは農作業によっては、回転力を必要とする専用の作業機を、トラクター本体にアタッチメントする必要もあるからです。このように通常のトラクターの場合、特定の農作物や農作業に特化した専用の作業機を、自由にアタッチメントできるようになっています。

したがって農地を耕すだけでなく、農地表面の均一化や土の破砕をはじめ、肥料やたい肥を散布したり、種まきや移植などにもトラクターが活用されます。ここまで見てわかるように、トラクターは農業機械のなかでも非常に汎用性の高い、機能性や用途性を誇ることが理解できるはずです。

トラクターにアタッチメントできる、代表的な作業機を見てみよう!

先述したように、トラクターには作物や農作業に応じて、様々な作業機をアタッチメントできます。まず田畑を耕す代表的な作業機を挙げるならば、プラウやロータリーでしょう。プラウとは日本語に訳すと鋤(すき)を意味し、モールドボードプラウをはじめディスクプラウやチゼルプラウなどのタイプがあります。

プラウは土壌を天地返しをする効果が高いことに加え、トラクターの原動力を使うPTOも不要なので、燃費効率に優れている点にメリットがあります。その一方でロータリーの場合は、トラクターからPTOをフル稼働させるので燃費効率は低いものの、水田の耕起についてはロータリーだけで全工程を完結できるという利点があります。

プラウやロータリーで耕起した後は、凸凹になった農地の表面を均一化して整地する必要があります。その際に活躍する作業機が、ハローやパッカーと呼ばれる整地用の作業機です。いずれもスプリングやローラーが付いたカゴ状の機器を、トラクターが牽引しながら整地を行います。

その整地が済むと、肥料や堆肥を散布する作業に移ります。この作業では、ブロードキャスターやマニュアスプレッダーといった、荷台タイプの作業機が必要になります。これらの作業機はPTOと連動しており、トラクターの原動力を利用して散布を行います。

ところで肝心の作物を得るには、農地に種まきや移植をしなければなりません。この作業で活躍するのが、プランターやシードドリルあるいは田植え機です。プランターとは等間隔に種を播く機械であり、シードドリルは種子を条播きにする機械です。

プランターは車輪の付いたボックス型の作業機を、トラクターで牽引しながら種を撒きます。またシードドリルの外観はハローやパッカーとよく似ており、トラクターにアタッチメントしたローラーを転がしながら、種子を条播する作業機です。

そして最後の田植え機は、誰でも1度は田園で見たことがあるかもしれません。ポット式やパット式などのタイプがありますが、いずれもシート状になった苗箱をトラクターに設置して、連続的に田植えを行う点では原理的には同じものです。

田植え機の登場によって、農家の負担を著しく軽減すると同時に、日本における米の生産量を劇的に増加させた画期的な作業機です。なお、この田植え機を応用したものとしては、玉ねぎやほうれん草といった野菜の苗の移植機があります。

これも農家の省力化や農地の生産性向上に貢献した、画期的な作業機なので一緒に覚えておきましょう。

収穫ならこの農業機械!

作物が一定の成長を果たしたら、いよいよ収穫をしなければなりません。そこで最もよく知られてるのが、コンバインでしょう。特に稲刈りのシーズンになれば、田んぼでは大小様々なコンバインの活躍を目にできます。コンバインには、主に自脱型と普通型の2タイプがあります。

自脱型は稲や麦といった作物の刈り入れから脱穀まで、一台でトータルに作業ができます。この点、コンバインハーベスターとも呼ばれる普通型も、刈り入れから脱穀までの機能を備えています。ただし稲や麦だけを想定した自脱型との区別から、便宜的に「普通型」と呼ばれるようになりました。

そしてコンバインの登場によって、田植え機と同様に、農家の省力化や生産性が格段に向上した点も、忘れてはならないでしょう。この他にも、根菜類や葉物類などの野菜に特化した収穫機もあります。これらの農業機械は土をふるい分けたり、バリカン型の刃で作物をカットするタイプのものが多く目立ちます。

ただし稲や麦とは異なり、作物の形状や種類が多岐におよぶため、現場ではまだまだ人力に頼るケースが圧倒的に多く見られます。

もっと多くの農機具を知って、農業に詳しくなろう!

電力や燃料によって動く農業機械を中心に、ここまで説明してきました。しかし農機具には古くから伝わる、人力による農具も沢山あります。そして、まだそれを使い続けている農家も実際には存在します。農業の発展は農業技術の進化とは切り離せません。

農業を深く理解したのであれば、農機具全般についてしっかりと学ぶ姿勢が大切です。

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